5) ミカエリス・メンテン型酵素反応の応答を調べる
Q 5-1: 前の演習例にならって、ミカエリスメンテン型の酵素反応を微分方程式で表現し、以下の条件(i)〜(v)での条件における反応の様子をMathematica上で シミュレーションしてみて下さい。数値計算の時間範囲は0〜5 (sec) とします。
Parameter |
単 位 |
(i) |
(ii) |
(iii) |
(iv) |
(v) |
(vi) |
k01 |
μM-1s-1 |
1 |
1 |
1 |
10 |
10 |
1 |
k11 |
s-1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
k20 |
s-1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
E 初期濃度 |
μM |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
10 |
S 初期濃度 |
μM |
5 |
10 |
10 |
10 |
20 |
x0=10 |
Q 5-2: 上の計算結果から、反応中間体SEの濃度がほぼ一定(定常状態)と見なせる条件は、どれになりますか?その例を計算した結果を005.nbの ファイル名で保存して下さい。他のパラメタ条件でどのように変わるかも見るとわかりやすいです。
6) 力学応答のシミュレーションを行う
下の図の様な力学系について考えます。
この時、質量Mの物体が、外力x(t)を受ける時の運動は、
で表記できます。ただし、B はダッシュポット構造の粘性抵抗、k はバネ構造の弾性係数を示します。ここで、外力 x(t) として、時間T0にステップ状の変化、
x(t) = x0 (1-Exp[a*(t-T0)]
(1+Sign[t-T0])
を与えた時、物体の位置応答 y (t) を示すMathematicaプログラムを作成してみて下さい。a は数値解析の時間範囲に応じたある程度の大きな値です。二次微分は y''[t] で表記できます。ただし、 y'[t] と y[t] のステップ入力を与える前の 初期値、y'[0]、y[0] は共に 0 とします。
M、B、kの組み合わせ(B2<4kM、または、B2>4kM)により、この力学系の応答は異なります。どのような応答になるでしょうか、典型的な例を2例示し、それ ぞれ、006.nbの ファイル名で保存し下さい。
あまり桁の大きく異なるパラメタを使用すると、Mathematicaの数値解析が収束せずに計算が終了できない場合があります。そ の場合、計算を中断させ、Mathematicaを強制終了後、プログラムを再起動させて、別のパラメタ設定で試みます(計算の前にはファイルをsaveしておくのが安全です)。
筋のモータータンパク質であるミオシン頭部ドメイン質量は、160×10-24 kg、ネックドメインの弾性係数は、4 pN/nm と見積もられています。B=0 の場合、この固有振動数はどのような値となりますか?実際のミオシン頭部のサイズから B は 60 pN・s/m 程度と考えられています。もし、これが正しければ、外力を受けたときのミオシン頭部の運動はどのようになると考えられますか?この計算は、そのままパラメタを入れて Mathematicaで数値解析することは難しいので、上のシミュレーション結果をもとに結果を予測して下さい。この設問の解答は、上で作成した006.nbの末尾に日本語でコメント文として記述して下さい。
7) ダイニンATP加水分解酵素の反応シミュレーションを行う