(4) 特殊な顕微鏡観察法
Q4-1.
10p微分干渉顕微鏡,画像処理ソフト上での微分処理,ホフマン型モデュレーションコントラスト顕微鏡の像の違
いについての次のサイトをクリックして出てくる設問に答えよ.(→
設 問
).
Q4-2.
8p通常の顕微鏡(実体顕微鏡を除く)では,2つの接眼レンズを使って観察する双眼顕微鏡であっても,一般に
立体的な像を観察することはできない.なぜか?通常の双眼型明視野顕微鏡に、ひと工夫施し,立体視可能な顕微鏡として用いる方法を考案せよ.
Q4-3.8pY1 = A・[cos(ωt)+j・sin(ωt)]
Y2 = A・[cos(ωt+π/4)+j・sin(ωt+π/4)]
Y3 =
A・[cos(ωt+π/2)+j・sin(ωt+π/2)]
Y4 =
A・[cos(ωt+α)+j・sin(ωt+α)] (ただし、α<<1
,j×j = -1)とする.以下の複素数の計算を行え.
a.1/Y1
b.Y1×<Y1>
ただし、<Y1>はY1の共役数(Y1が、a
+ j・b と表記されるとき、<Y1> は a - j・b)c.(Y1+Y2)x<Y1+Y2>
d.(Y1+Y3)x<Y1+Y3>
e.(Y1+Y4)x<Y1+Y4>
上の計算で,複素数Ynが,ある波長の光を表すとすると,Yn
x
<Yn>は,その光の強度を示す値(パワー)となる.上の計算eは,2つの位相のわずかにことなった光(α<<1)が干渉し合う条件を示して
いるが,この計算を拡張させ,ブライトコントラストの位相差顕微鏡の観察像について論ぜよ.
Q4-4.12pレーザー光線を光学顕微鏡の光源として使用する時の利点は,極めて強い光が利用できる点,単波長のために
色収差を考慮する必要がなくレンズ設計が容易となる点があげられる.このような特徴があっても,レーザーを一般に光源としては使用できないのは,レーザー
光にどのような問題点があるためか?レーザー光を使った共焦点型蛍光顕微鏡は,この問題は発生しないのか?発生するとすればそれをどのように解決している
か?共焦点顕微鏡の解決方法の他にどのような工夫が原理的に可能か?
Q4-5.8pGFPミオシン蛍光を波長488nmのアルゴンレーザーで落射照明して観察したい.この観察に適したフィ
ルター(励起フィルター,ダイクロイックミラー,バリアフィルター)の組み合わせを,オメガ社フィルターカタログ
から見つけ列挙せよ.また,cy3,cy5で2重ラベルしたミオシン分子に用いて,波長532nmのグリーンレーザーで落射照明し,蛍光エネルギー移動を
可視化したいが,この目的に適したフィルターのセットを同様に選択せよ.
Q4-6.12p添付の図は,それぞれ青色の蛍光色素で染色した2つの微小管
青色,赤色の別々の蛍光色素で染色し2つの微小管である.2本の微小管の間に架橋構造が存在し,その架橋の距離を正確に測定したいと考えている.上の2つ
の観察条件下で,計測の精度はどのようになると期待されるか.もし,違いがあるとすればどのような点か.
Q4-7.6p添付の図(ここをクリック)は,蛍光顕微鏡の模式図であ
る。明視野照明や位相差顕微鏡観察も同時にできるようになっている。下にあげた4種類のフィルターについて、
1) 配置しても構わない場所
2) 配置しなければならない場所
3) 配置するのにもっとも適した場所
を述べ,その理由も付記せよ。場所は,図中の名称に従って,「・・と・・の間」と記述すること。
フィルターA. 色温度補正フィルター(明視野照明観察時)
B. 緑色の干渉フィルター(位相差顕微鏡として使用するとき)
C. 励起フィルター(落射型蛍光顕微鏡として使用するとき)
D. バリアフィルター,または,蛍光フィルター(落射型蛍光顕微鏡として使用するとき)
Q4-8.8p透明な薄いガラス円盤2枚を平行にして、その間にタンパク繊維を懸濁した溶液を入れた。これを偏光で観察
したのが図Aである。背景から偏光を照射して、カメラと試料の間には、その偏光と直交する向きの偏光
だけを透過するような偏光板を置いて撮影したものである。特に特長はなく、試料全体が灰色に観察された。その後、ガラス円盤の一方を中心軸のまわりに回転
させると、図Bのようなパターンが観察された。これは一種の複屈折性と考えられる。ガラス円盤の回転
によって生じる溶媒の流れ(同心円状)に、中の繊維状試料が配向したためと考えられる。繊維が配向することで光学的な異方性が生じたと思われるが、なぜこ
のような十字型の明暗パターンとなるのか、わかりやすく説明せよ。